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これから子犬を飼おうとお考えの方の中には「ワクチンという言葉はよく耳にするけれども、具体的にどんなものなのかよく解らない…」という方も多いのではないでしょうか?
ここで言う『ワクチン』とは複数の伝染病を予防するためワクチンをひとまとめにした『混合ワクチン』のこと。
法律で1年に1回の接種が義務付けられている『狂犬病ワクチン』とは別モノで、一般的には『混合ワクチン』、『狂犬病ワクチン』と呼び分けることが多いようです。
「犬を飼ったらその『混合ワクチン』の接種が必要」という部分に関しては広く浸透しつつあるものの、なぜ必要なのか、そしてどういった効果があるのかをきちんと理解されている飼い主さんはごく一部のようです。
中には混合ワクチンを『健康かつ丈夫で病気にかかりにくい身体にパワーアップさせる薬』とか『あらゆる病気を防いでくれる万能薬』のような誤った解釈をされている方もいらっしゃるようですが、混合ワクチンは特定の伝染病を予防する抗体を体内に植え付ける『予防接種』に過ぎません。
また、本来の予防目的である伝染病に対してもあくまでも『予防』に過ぎませんので接種しておけば絶対に安心というものでもなく、混合ワクチンを接種することによってアレルギー症状を引き起こすといった恐ろしい点も知っておかなければなりません。 |
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子犬は毎日飲む母乳(特に初乳)から伝染病に対する免疫力を譲り受けます。
通常、生後60日齢を迎える頃から伝染病に対する免疫力は徐々に低下(消滅)しはじめますが、低下(消滅)する時期は個体差によって異なり、それよりも早くから低下しはじめる子もいれば、それ以降に低下しはじめる子もいます。
そのため、生後60日齢頃に免疫力が低下しはじめる(消滅した)と想定して、一般的には生後60日齢前後に1回目の混合ワクチン接種を行います。
ただし、子犬を生後60日齢頃に迎え入れた場合、既に1回目の接種時期を迎えているからといって接種を急ぐ必要はありません。
この場合、1回目の接種は新しい環境に馴染んでから(目安として子犬を迎えて1週間程度経ってから)の方がより安心です。
1回目の接種をした時点で免疫力が低下しつつある(消滅している)子であれば、その時接種した混合ワクチンは抗体として体内に残って本来の効果を発揮しますが、まだ免疫力が強く残っている子だと接種自体がほとんど無意味なものとなってしまいます。
つまり生後70日齢まで免疫力が持続する子だった場合、生後60日齢での混合ワクチン接種はあまり意味がありません。
したがって、その約1ヶ月後にあたる生後90日齢前後に2回目の混合ワクチン接種を行うのです。
子犬の伝染病に対する免疫力がいつまで持続するかは判りません。(検査を行えば判りますが結果が出るまでにそれなりの日数が必要となるため検査しても意味がありません)
そういった観点から、子犬の(1年目の)混合ワクチンは複数回に分けて接種しているのです。
接種時期は1回目が生後60日齢前後、2回目は生後90日齢前後の計2回接種が一般的ですが、2回接種しておけば大丈夫ということではありません。
大切なのは接種回数ではなく、あくまでも免疫力が低下しつつある(消滅した)時点で接種するという点がポイントです。
なお、日本においては2年目から(成犬になってから)は年に1回ペースでの接種が一般的となっており、国内のほとんどの動物病院では年に1回の接種が推奨されています。
しかしながら、アメリカをはじめとした一部の海外においては「抗体(免疫力)は1年以上持続する」という考え方から接種回数(ペース)が見直されつつあり、2〜3年間隔で接種する傾向となりつつあるようです。
【参考】結局ワクチンって何年に一度接種すればいいの? |
前述の通り、生後90日齢前後に行う2回目の接種をもって1年目の混合ワクチン接種は完了となりますが、実はそれでは不十分という考え方もあります。
非常に稀なケースではありますが、個体差によっては生後120日齢頃まで母乳から受け継いだ免疫力が持続する子もいるようです。
つまりあなたの愛犬が生後120日齢頃まで免疫力が持続している子だった場合、これまで接種してきたワクチンは無駄なものとなっているのです。
そういった観点から、1年目は生後120日齢を少し過ぎた頃に最後の追加接種を行うという考え方もあります。
当然、獣医師によっても対応(考え方)は異なります。
1年目に3回もの接種は不要という考え方もありますし、混合ワクチンを接種すること自体が子犬にとって負担となるのも事実です。
個人的には生後70〜90日齢の間に1回目の接種をしておいて、生後120日齢を過ぎた頃に2回目の(最後の)接種をする方法が理想的と考えます。(あくまでも私見です)
その場合、必然的に1回目の接種を行うまでの期間が通常(生後60日齢前後に接種する場合)よりも長くなります。
当然ながら、その期間は伝染病感染に対して細心の注意を払わなければなりませんので、飼い主さんの自己責任においてご判断願います。 |
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伝染病を予防するワクチンには単体のワクチン(1種類の伝染病に対する抗体)をはじめ、2〜9種類の混合ワクチン(複数の伝染病に対する抗体がひとつにまとまったもの)まで様々な種類があります。
混合ワクチンは種類が多ければ(多種混合の方が)より安心という単純なものではなく、種類が増えればそれだけ身体に負担になるということを忘れないでください。
また、単体ワクチンと混合ワクチンでは効果の現れ具合も異なり、種類が増えるに従い「範囲は広く、効果は浅く」といった感じになります。
一般論として、生後60日齢前後の家庭犬(ペット)に接種する混合ワクチンは5種〜6種混合程度で十分ですが、獣医師とよくご相談の上、適切な(犬種、生後日数、飼育目的に適した)ものをお選びください。
極小サイズと言われるような小さいタイプの子は体力的に劣る場合が多いので、あまり早い時期に身体に負担のかかり易い多種混合ワクチンを安易に接種することは考えものです。
現在、混合ワクチンは9種混合まで用意されており、おもな種類と内訳は次のとおりです。
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5種混合 |
6種混合 |
7種混合
(※1) |
8種混合
(※1) |
9種混合 |
| 犬パルボウィルス感染症 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
| 犬ジステンパーウィルス感染症 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
| 犬伝染性肝炎 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
| 犬アデノウィルス2型感染症 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
| 犬パラインフルエンザウィルス感染症 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
| 犬コロナウィルス感染症 |
- |
○ |
- |
○ |
○ |
| 犬レプトスピラ病(※2) |
- |
- |
○
(2種類) |
○
(2種類) |
○
(3種類) |
| ※1. |
7種、8種混合ワクチンの内訳は製薬会社によって若干異なる場合があります |
| ※2. |
レプトスピラ病はコペンハーゲニー型、カニコーラ型、ヘブドマディス型、イクテロヘモラジー型など複数種に分類されます(製薬会社によってワクチンに含まれている種類が異なります) |
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